移植 (医療)
移植(いしょく)とは、「提供者(ドナー)」から「受給者(レシピエント)」に組織や臓器を移し植えること。移植で用いられる組織や臓器を「移植片」という。
以下に示すように様々な移植の形態が存在するが、一般には臓器を移植する場合が話題となるため臓器移植として知られている。
なお思想的・宗教的立場から、臓器の移植は否定する主張[1]もあるが、少数派として扱われている。
日本においては、1956年に腎臓、1964年に肝臓の移植が初めて行われた。1968年には札幌医科大学の和田寿郎教授によって、世界で30例目の心臓移植が行われ、移植患者は83日間生存した。いわゆる和田心臓移植事件である。移植患者の生存中は賞賛されたが、死後に提供者の救命治療が十分に行われたかどうか、脳死判定が適切に行われたかどうか、レシピエントは本当に移植が必要だったかどうかなど、厳密な脳死判定基準のなかった当時の脳死移植は多くの議論を呼んだ。和田教授に対しては殺人罪の刑事告発もされ、検察当局による任意の調査が行われたが、嫌疑不十分の不起訴処分となった。
1979年、角膜及び腎臓の移植に関する法律が成立し、心臓死移植に関する法律が整備された。この法律によって、家族の承諾により、死後の腎臓および角膜の提供が認められるようになった。以後、心臓死下の腎臓移植が毎年150〜250件、角膜移植が1600~2500件行われるようになった。しかしながら、日本では脳死をヒトの死と認めない傾向が強かったため、その後はもっぱら心臓死移植のみが行われ、脳死移植は長期に渡り行われることがなかった。
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1997年10月、臓器の移植に関する法律が施行され、本人が脳死判定に従い臓器を提供する意思を書面により表示しており、かつ家族が脳死判定並びに臓器提供に同意する場合に限り、法的に脳死がヒトの死と認められ、脳死移植が可能となった。
この法律では、臓器提供のための意思表示可能年齢について何ら規定していないが、厚生労働省のガイドラインによって、ドナーの意思表示可能な年齢は民法の遺言可能年齢に準じて15歳以上と通知されている。